Article 記事

私と「読」

“ かっこいい ”
これは私が読書をするときの合図

小学生の頃は読書というより、週刊少年ジャンプやりぼんなどの漫画だったけど
漫画の知識を豊富に持っている同級生が輝いてみえた
このとき初めて思ったの
読む行為って “かっこいい”

高学年になると、学校の図書室や市立図書館に通うようになり
気づいてしまったの
分厚い本を読む人は知的で “かっこいい”って

歳を重ねるにつれ、その行為は私が恋に落ちる合図となった

本を持つ手の筋が大人で “かっこいい”
脚を組んだ時にのぞくアキレス腱がセクシーで “かっこいい”

思い人に憧れて本を読もうとしたが、己に酔うだけで内容は全くだった
私、典型的な “形から入る” タイプなの

仕事終わりは、行きつけの喫茶店に立ち寄る
テラス席の金木犀が、夜風にのって顔を出す
少し大きめの本を膝に乗せ、身体を前のめりにして読むあの人がいた
ふと目が合い、慌てて視線を足元に戻す

このまま時間が止まればいいのに

photographer = 小田島 万里

カメラマン・写真家

本名・小島美樹。1984年生まれ。カメラマン。宮城県栗原市出身。宮城県宮城野高校美術科卒。ブライダルフォトグラファーを経てフォトスタジオにて勤務の後、独立。

舞台・スクール・婚礼・記念写真・プロフィールや宣材・取材撮影など仙台を主軸に写真撮影業・講師業を生業としながら写真家としても活動中。

https://www.instagram.com/mari_odajima/

Writer = 太田 和美

美術家・パフォーマー・ライター

仙台市出身在住、栃木県育ち。東京造形大学 造形学部デザイン学科 室内建築専攻卒。

大学在学中より、作家活動を始める。現在は、自身の造形作品「HOYAPAI」を被り、様々な愛の形を造形・舞踏・映像に組み込んだインスタレーションを展開する。「HOYAPAI」は女性性と豊穣の象徴である「乳房」と海の幸「ホヤ」からインスピレーションを得た。現在も作品を通して、現代社会と共存するアートの在り方を追求し続けている。

ページトップへ

Search 検索