私と「雨」
フェスもライブも奪われてあっという間に2回目の夏。
都心では形を変えて開催されつつあるが東北では未だ息を潜めている状態で、今夜も自宅の壁に投影されたバンドマンを見つめ、生ぬるい部屋で缶ビールを煽る私です。
歌えず、騒げず、すれ違う人と乾杯もできない。そんなフェスに私は満足するのかと自問。
彼らだってあらゆるヘイトを越えるために歌っているのだから、満足しているわけないじゃないかと自答。
「フェス行きたい」とツイッターへ投稿するも、前の夏ほどフラストレーションを抱えていない。いつから私はもがくことを諦めてしまったのだろうか。
コンサートやフェスが開催されるたび、ニュースやSNSが地鳴りを立てながら批判で揺れる。そのくせ、2週間後にどれほど感染者が出たのか注目する報道はささやかなるものだ。
そろそろ「こんなことができた」を積み重ねていけないのだろうかと、コメンテーターを睨みつける。
エンターテイメントで空いた穴を埋めるのはエンターテイメント。
数ヶ月前から、キラキラした衣装で歌って踊るアイドルに熱中している毎日です。
とはいえ週末の晴れを願って、てるてる坊主を吊り下げたい。
土で汚れた靴、喉を潤すビール、広い会場で偶然会った友達と肩組んでピース!
そんな夏に想いを馳せて、大好きなバンドが大好きなアイドルに提供したこの曲をツイッターにシェアボタン。
Photographer = はま田あつ美(はまだ・あつみ)
東北芸術工科大学メディアコンテンツデザイン学科卒。建築写真(新築、リフォーム、リノベーションetc)やイベント写真などの写真撮影をメインに活動。
Instagram : a_h_4915
Writer = 鈴木 杏(すずき・あん)
岩手県釜石市生まれ、盛岡育ち。ファブリックメーカー、キャンドルショップ、専門学校非常勤などを経験し、シェア型複合施設THE6のスタッフとして運営に携わる。2020年よりフリーランスとして活動中。仙台と岩手の二拠点生活練習中。
Instagram : an56mochi_