ライターバトン -3- 「共働き世帯の子育てのはなし」
仙台を中心に活躍するライターが、リレー形式でおくります。前任ライターのお題をしりとりで受け、テーマを決める…という以外はなんでもアリの、ゆるゆるコラムです。
共働き世帯の子育てのはなし
共働き世帯の子育ての今
ファッション、グルメ、住宅、旅、学校などなど…。幅広くと言えば聞こえはいいのですが、これといった得意分野がないまま、いろいろなジャンルの原稿を書いてきました。その中で、結婚・出産を経験したことで新たに依頼されるようになったのが、結婚・出産・育児など女性のライフイベントに関するライティング。トレンドの結婚式や、妊娠中のお悩み、仕事・家事・育児の両立、子連れで行けるお店のことなど、どれも今まで無縁だったものばかり!でもまさに今自分が直面している問題なので、心に引っかかることが多いのです。
中でも「共働き」については思うことがいろいろありまして…。この言葉自体、専業主婦の母親に育てられた私としては、家事・育児・介護を労働とみなしていないような気がして違和感があるのですが、一般的に言えば我が家も「共働き世帯」。「私も働いているんだから!」と言いたいものの、ことさら育児に関しては夫婦同じようにとはいきません。保育園のお迎えはどんなに仕事が終わらなくても私が行くしかないし、子どもが熱を出したら仕事を休むのは私。遅い時間に打ち合わせが入れば預け先の確保に奔走します。こういうお母さん、きっと多いですよね。
でもこれは我が家の場合、決して父親が育児に非協力的だから…という理由ではありません。男性の育児休暇や時短勤務が利用しやすくなってきたとは言え、まだまだ“何かあったらまずお母さん!”という考え方が、社会や企業、保育園や私たちの中にも根強く残っているからなんじゃないかなーと思います。
“まずお母さん!”からの脱却!
確かに、小さな子どもは母親を求めることが多くあります。特に具合が悪い時や寝かしつけの時は、お母さんにべったり…という子が多いのではないでしょうか。もちろん私も、どうしても仕事を優先しなくてはいけない時に、何も感じていないわけではありません。「そばにいてあげたい…でも仕事が…」と母の心は複雑です…。でも、子育てをしながら東京でヘアメイクをしている友人の「お母さんじゃなくちゃダメなことなんてないから!」という言葉に支えられて、少しずつ、母親である自分一人で育児を背負わない術を学んできました。まずは自分の意識改革から、という感じでしょうか。
お互い外に出て働いている身。急な仕事のトラブルや、どうしても日程の再調整がきかない仕事があるのは当たり前。そんな中発生した家庭のアクシデントに、母親ばかりが動くのではなく、できる人が対応していく。そんなことが当たり前にできる、柔軟な社会・企業・家庭になればいいなと思います。そしてこれは何も「共働き世帯」だけの問題ではありません。専業主婦、一人親など、いろいろな家庭の形がある現代だからこそ必要な、考え方の転換なのかな、と思います。
次回
続いてバトンを渡すのは、以前一緒にフリーペーパーの制作をしていた池田直美さん。ヘアサロンや美容系の取材の時、真っ先に思い浮かぶライターさんです。
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佐々木 綾
仙台市出身。大学卒業後、仙台の出版社勤務を経てフリーライターに。現在2歳の女の子を育てながら、webマガジンや雑誌、フリーペーパーなどに執筆中。