So-So-LAB.では、2021年の11月から12月にかけて、全3回にわたってカメラマンワークショップ講座を開講いたしました。講師を担当していただいたのは、山形を拠点に写真家としてご活躍されている志鎌康平さんです。
今回は、11月17日(水)に行った第1回目の講座をレポートします。
第1回目のテーマは、『まなざしをひらく①土地と人を捉える写真から』。さまざまな地域を訪れ、撮影をおこなってきた志鎌さんのこれまでの活動やお仕事についてトークしていただきました。
志鎌さんは東北芸術工科大学で写真表現を学ばれたのち、上京し、写真家の小林紀晴さんのアシスタントをご経験されました。その後、地元である山形市に戻ってこられ、デザイン会社である株式会社アカオニにカメラマンとして入社。地元農家のウェブサイトや、企業の冊子づくりなど多岐にわたるコンテンツの写真を担当され、地域に根づきながら写真を撮るということを実践的に学ばれたといいます。2016年に独立してからは、山形市にあるとんがりビル内に撮影スタジオを構えながら、日本各地を訪れ撮影をしていらっしゃいます。
本質を捉えるような魅力ある写真はどのように生まれるのか。志鎌さんがある地域を訪れるとき、その土地がどのような歴史や文化の背景を持っているのかという勉強は欠かさないそうです。現地に入ってからは、そこに暮らす方々とのお話を通して、自分が撮りたい、撮るべきイメージを探っていくとお話ししてくださいました。
記事制作の場合、同行したライターや編集者が対象の方にインタビューしている間、カメラマンはただそれが終わるのを待ってしまうことも多いそうです。志鎌さんは、カメラマンも主体的に興味を持ってコミュニケーションを取ることで、対象者の面白さや美しさを引き出し、すでに自分が持っているイメージを更新するような写真を撮影し続けることが大切だと言います。「頭で考えない。写真をデザインするのではなく、その場にダイブして、感じるんだ」というメッセージがとても印象的でした。
講座の終盤では、参加者の方からの質疑応答と、急遽So-So-LAB.長内コーディネーターと対談形式でのトークも行われました。
参加者の皆さんからは、
- 頭で考えた「絵」にはめない。その場所、土地のいいところを写真に収めるというお話を聞きとても納得しました。被写体との間柄が大切という事で、被写体とのコミュニケーションと事前の勉強が重要なのだと改めて感じました。
- 私も写真を日々撮っているのですが、志鎌さんの写真を撮る心意気を聞くことができ、もっと頑張ろうという気持ちになりました。
- 写真を撮る際、被写体と距離をとってしまうのですが、志鎌さんの「被写体と自分は、あくまで自分と相手」という言葉からもう少し距離を縮めたいと思った。
などなど、たくさんのご感想をいただき、第1回目の講座は終了しました。
第2回目のレポートもお楽しみに!