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番外編:読んでけらいん!クリエイター向けおすすめ本その2

『タイトルの魔力―作品・人名・商品のなまえ学』
中央公論新社/佐々木健一/2001

なまえには、ひとであれ作品であれ商品であれ、名づけられた対象を聖化する力がある。そこで商品は名前を必要とすることになり、法的な保護という制度のもとで、なまえ自体が商品化するわけである。しかし、それだけではない。商品を聖化するに際して、なまえはその字義を介してそこにあるイメージを付着させる。(p.68より)

商品の名前や、書籍のタイトルをつけるのは至難の技ですよね。それらの名前は、製品そのものを表現し、それだけではなく消費者の求める商品的価値を製品に与えてしまうものでもあります。

美学を専門とする筆者が、身の回りにあるモノを「名付け」ることと、その役割や歴史について論述しているのが本書です。

主に芸術作品のタイトルと作品そのものの関係性について論じられていますが、人の名前や具体的な商品のネーミングなどを紹介しながら文章が展開していくので、作家・美術家・音楽家・写真家など、自らの作品にタイトルをつけなければならない人はもちろん、パッケージデザインを手がけるデザイナーや、ディレクションを行う編集者、キャッチコピーを作成するライターの方などにとっても面白いはず。ネーミングをする際の思考を刺激する興味深い内容になっています。

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