Article 記事

稲庭うどん小川|前編:リブランディングで世界に届ける「稲庭うどん小川」の魅力

2024年2月19日(月)、仙台市青葉区のOF HOTELで「OF HOTEL LOCAL CONNECTIONvol.3 ブランディングで世界へ広がる東北の魅力」と題したイベントが開催されました。「東北との新しい出会いの場」として同ホテルが主催するビジネスイベントで、今回は秋田県で稲庭うどんを製造する「稲庭うどん小川」のリブランディング事例に注目。ゲストに「稲庭うどん小川」の小川選子専務と、コンサルティングを手掛けた「ビスポーク」の長田敏希代表を招き、取り組みを紹介しました。

***********

OF HOTEL|LOCAL CONNECTION Vol.03
ブランディングで世界へ広がる東北の魅力

ゲストスピーカー
長田 敏希(おさだ としき)さん
 株式会社ビスポーク 代表取締役 CEO
 ブランドコンサルタント・クリエイティブディレクター
 一般社団法人フードサルベージ 代表理事
小川 選子(おがわ えりこ)さん
 株式会社稲庭うどん小川 専務取締役

ファシリテーター
かさまつ ひろこさん
 Webディレクター、ライター
 OF HOTEL 広報アドバイザー

***********

「チーム小川」の誕生

「稲庭うどん小川(以下「うどん小川」)」のリブランディングプロジェクトは、コンサルティング会社やデザイン会社などがチームをつくり取り組んだことが特徴的です。冒頭で、プロジェクトのコーディネートを行ったかさまつさんが概要を説明しました。

ファシリテーターのかさまつさん

「小川さんから、広報戦略の強化について相談を受けたのがきっかけでした」とかさまつさん。小川さんは広告代理店に広告の制作を依頼することが念頭にありましたが、かさまつさんは、一般的な広告宣伝とは異なる方法で自社の魅力を発信し企業の価値向上へと繋がるリブランディングを提案。中小企業のブランディングに強い「ビスポーク(東京)」の長田さんを紹介すると同時に、一部の制作物は同じ東北の「b.mode(仙台)」と連携しました。また補助金制度や地域連携に関しては地元・湯沢市の経営支援窓口「ゆざわBiz」に相談してみるようアドバイスを行いました。

かさまつさんはECサイトやSNSの運用と分析、プロジェクト推進等のサポートを担当。課題解決や新商品マーケティング、話題性づくりなどに力を発揮できる人脈と経験を持ち、柔軟なフットワークが持ち味です。こうしてうどん小川のリブランディングに向けて、かさまつさん、ビスポーク、ビーモード、ゆざわBizがそれぞれの特性や地域性をいかした「チーム小川」が誕生しました。

チーム小川について

「本物の稲庭うどんを」品質にこだわる後発メーカー

続いて小川さんが、リブランディングに至った思いを話しました。

株式会社稲庭うどん小川の小川選子さん(中央)

うどん小川は秋田県湯沢市で1982年創業。350年以上の伝統を持つ稲庭うどんの業界においては後発メーカーですが、創業者の「本物の稲庭うどんを届けたい」という情熱のもと、素材と製法にこだわって上質な製品を生み出してきました。

小川さんは、1994年に家業に入りました。結婚、出産、子育てをしながら仕事を続け、将来を見据えて2016年から輸出事業をスタート。「当初は、自社の稲庭うどんの品質の高さとおいしさは十分に理解しているものの、どうセールスすればいいか分からなかったので、海外の展示会に出展しても自信を持って営業ができなかった」とのこと。そこで、以前から繋がりのあるかさまつさんに相談しました。

ここから前述の「チーム小川」が結成され、2019年にリブランディングプロジェクトが始まります。初めに小川さんにとって印象的だったのは「経営陣だけでなく、社員の皆さんが同じ方向を向くことが一番大事」と長田さんから言われたこと。プロジェクトを通してこの言葉を意識し、他社の稲庭うどんを集めて食べ比べの会を開くなど社員を巻き込んでいきました。現場の職人ともたくさん話すようになったことで、小川さんは自社の製品への誇りと自信をより深めていきました。

3カ月で売り上げ120%増、新規取り扱い3000店舗以上!

パッケージリニューアル、稲庭うどん小川のコンセプトを表現するブランドブックの制作をはじめ、新商品開発や異業種コラボ、クラウドファンディングなど、数年の間にさまざまな事業を実施。パッケージの変更から3カ月で売り上げは120%増、3000店舗以上での新規取り扱いにつながり、輸出実績は現在36ヵ国まで増えています。新規事業を行うごとにプレスリリースを行い、メディアに取り上げられることでさらに評判を呼ぶといった好循環が生まれています。

リブランディングを行った新パッケージ

「ブランディングという言葉さえ知らなかった私が、教えていただきながら無我夢中で駆け抜けた」と振り返る小川さん。「マーケティングや課題解決も含めて伴走してくださるおかげで、当初は想像もしなかった成果が数字となって現れました。チャレンジしてよかった。今後の事業の方向性に関しても明確なビジョンを持てるようになりました。さらに、海外で行ったプレゼンがパーフェクトって褒められたんです」とはにかみ、リブランディングプロジェクトを通して自社と自身の成長を感じたと話します。「2026年までに輸出実績50ヵ国」を目標に、これからも走り続けます。

前編 > 後編

ページトップへ

Search 検索