八木山のハウス

2016.12.27

八木山のハウス

写真

母屋のとなりに建つ、第二の人生をむかえるご夫婦のために計画した平屋の住宅である。周りの建物を気にせず生活できる、明るく風通しの良い住まいが求められた。
 敷地の中央に配したボリュームからテラスを抜き取り、そこに高窓と掃出し窓を設け、室内への十分な通風と採光を得た。母屋となじむ勾配で屋根をそぎ落とし天窓を開けた。
 すべての部屋が段差なく等価に並ぶ平面形状は、空間がどこまでも続くような印象を与える。一方、並び合う部屋の仕様が違うため、変化する空間の表情はそれぞれ異なる。それは複数のリズムが同時に演奏されることで独特なゆらぎを生む、ポリリズムのようである。
 本計画では独自のリズムを刻む個々の空間を組み合わせ、空間のゆらぎをつくり出すことを目指した。そのような建築では空間の用途が限定されないため、住まい手が心地良いと感じる居場所を日々発見し、想像力あふれる魅力的な生活が実現できるのではないかと考えている。