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クリエイターインタビュー|佐藤 早紀さん(中編)

仙台在住のグラフィックデザイナー佐藤早紀(さとう さき)さん。フリーランスでの活動に加え、2015年に仙台の魅力を発信するために「ハイカラ.H」を設立し、ウェブマガジンやイベントの運営に携わってきました。2017年には「ハイカラ.H」を「株式会社オープンタウン」として法人化し、さらに活躍の場を広げる佐藤さんにお話を伺いました。

ハイカラ.Hのウェブマガジンに今後載せていきたものはありますか。

仙台の美容師の求人情報です。仙台の美容専門学校を卒業した子って大体、東京に行っちゃうんです。そのあとで仙台に戻ってくる子も多いんですけど、美容師はただでさえキャリア積むのに時間かかるのに、東京でスタイリストまで行っても仙台に戻ってきたら新人扱いで、シャンプーからのスタートになっちゃうお店もあるんです。なので、最初から仙台でキャリア積んでいった方が将来独立するにしても早いのかなぁとか思ったり……。仙台の美容室の良さも伝えられたらなと思います。

求人情報を載せたいと思ったきっかけは何ですか。

就職先の美容室を探している美容学生の子が「なかなか自分に合うお店が見つからないんです」って相談に来てくれたことがきっかけでした。お店を探すにしても、クーポンマガジンで探したり、移動中に看板を見つけたら写真を撮って家で調べたりとか、すごくアナログな方法しかなかったそうなんです。求人をしている美容室自体は仙台にも多いのに、みつかりにくいっていうのが問題ですね。

それを少しでも解決できるように、求人情報を載せる以外にも、オープンタウンのイベントスペースを使って個人店のサロンさんと美容学生さんとの交流の場をつくってみたいと思っています。いわゆる説明会みたいな堅い雰囲気ではなくて、例えば持ち時間30分で自分の会社のことしゃべってもいいし、モデルさんを連れてきて軽くヘアショーやってもいいし、セミナーで学生さんに直接何かを教えてもいい。そういう場の中で、学生さんが自分に合った美容室を見つけられたらいいなと思っています。

あと、美容学生さんに聞いた話だと、サロンの雰囲気を知るために、お客さんとしてお店に行ってみるしかないんだそうです。前髪カットだけをしてもらいに行くみたいなんですけど、それでも何件も比べられないですよね。今考えている交流イベントの中で、サロンからの見学の案内とか学生向けクーポンを出して学生が動きやすくなる仕組みを作りたいと思います。

美容師さんとのつながりが強いのはなぜですか。

10代の頃から仙台でヘアモデルをやっていたんです。仙台で開催されるコンテストにも出ていたので、「あのお店のあの子ね」っていう感じで顔を覚えてもらえていました。その他にも、県外の美容師さんのモデルをして美容専門誌に載ったこともあったり、そういうことも重なって知ってもらえているのかなと思います。

一般にはあまり知られていませんが、コンテストに作品を出す美容師さんって、夜遅くまで仕事をやった後に作品をつくっているんです。そこにかかる費用は美容師さん個人の名前を上げるためにやることなので、お店は経費として出せないから、美容師個人の持ち出し。そういう環境を少しでもよくできればと思って、オープンタウンで撮影スタジオを設けていますし、撮影する時のモデルさんの衣装のレンタルもここの服屋でできたらいいなと思っています。深夜の仕事終わりにも寄れるようにもしたいですね。

オープンタウンが運営する服屋「SHOP HC」

他にオープンタウンでやってみたいことはありますか。

最近、朝ごはん出したいなと思っていて。まだ妄想なんですけど、農家から仕入れた野菜をバーっと並べて、来た人は好きなものを買ってそのまま持って帰ってもいいし、その場でスムージーにもサラダにもできる、みたいなことができたらいいなと。調理自体の料金は取らないで、野菜自体の料金だけ払ってもらう。朝にヘルシーな美容系のドリンクを職場に持っていけたりするといいですよね。この辺りはオフィス街で感度が高めの人が多いと思うので、興味持ってくれそうかな、と。自分としても朝型の生活に変えたいので、できたらうれしいですね。

やりたいことを全部できるのがこのオープンタウンなのですね。佐藤さん自身も、デザイナーとしての仕事だけではなく、やりたいことがあったら全部やってみたいですか。

私はデザインの他にも、イベントの運営とか服屋さんとかもやる「なんでも屋さん」みたいになっていて、自分でも何やっているか分からない(笑)。でも、やれることをやりたいですし、もしだめでもやめればいいと思って、自由に生きています。

改めて、オープンタウンをどんな場所にしていきたいですか。

夢に近づける場所にしたいです。何かやりたいことがある若い子に場所を貸して、どうやったらできるかを一緒に考えてあげたいです。服屋さんをやってみたい子がいたら、ラックを1個貸したり、自分たちでイベントやりたいDJの子がいれば、機材を持ってきてもらって下の階でイベントを開いてもいいですし、調理の免許を持っていてご飯をつくりたい子がいれば、ご飯をつくってもらいたいです。実際に場所を借りてやってみないと分からないことを、ここで気軽に試してみてほしいですね。普通の店舗を借りたら、失敗した時のリスクが大きいし怖いですからね。昼間はコワーキングスペースで仕事ができて、夜は卓球ができて、お酒も飲める。さらに服も買える……っていう場所にして、いいように使ってもらいたいです。アドバイスできるような立場ではないですけど、私は自分のやりたいことをある程度現実のものにすることができたので、何かやりたいことがある子の後押しができたらなと思っています。

今回お話を伺ったコワーキングスペース「HC This Working Space」。ご覧のとおりテーブルが卓球台(!)となっている

取材日:平成29年5月9日
聞き手:SC3事務局(仙台市産業振興課)、岡沼 美樹恵
構成:岡沼 美樹恵

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佐藤 早紀

武蔵野美術大学中退、トッパンエディトリアルコミュニケーションズ株式会社入社後、ハイカラ.Hを設立し「東北を少しでも楽しい街へ」とWEBマガジン・イベント等を運営。2017年4月株式会社OPEN TOWN設立。グラフィックデザイナー。

仙台フォーラスや仙台パルコの広告をはじめ、美容室、飲食店等の名刺・ショップカード・ポスタ ー・ロゴ制作など幅広く活動。
Instagram @saki_design. https://www.instagram.com/saki_design/
Web. http://opentown.jp
http://highcolorh.com

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