大江よう
3月13日 雨
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じつをいうと、おとなの世界は、もうだめです。
突然こんなこと言って、ごめんね。
でも本当です。
2、3ヶ月後に、ものすごくグダグダな
おとなの責任のなすりつけあいがあります。
それが終わりの合図です。
程なく大きめの失望が来るので、気をつけて。
それがやんだら、少しだけ間をおいて、
おわりのはじまりへの準備がきます。
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さて、マイスター・ホラはいいます。
「人間がじぶんの時間をどうするかは、じぶんじしんで決めなくてはならないからだよ。
だから時間をぬすまれないように守ることだって、じぶんでやらなくてはならない。」
おとなは、じぶんをまもることには向いていない生物になってしまったので、それを考えるのはいったんやめて、あしたからは、子供の世界、生活の世界、文化全体の健康に関することをかんがえていきましょうよ。
と思った、シンエヴァ2回目の視聴の帰り。
3月13日です。
3月14日 曇り
福島県立博物館、震災遺産を考える
を家族で見に行ったあと、ゆうぞうに日記をかいてもらいました。
3月14日。
会津のソースカツ丼はうまい。
3月15日 晴れ
今週でおすずは幼稚園を卒園します。
カトリック系幼稚園で、
最終週に掲示されていた文言は
「それは 極めて 良かった」
/創世記 一 三十一
そんな、極めて良い3月15日。
3月16日 晴れのち雨
「より速くより便利にと、ひたすらにゴールを目指して直線的に流れ続けた時間に対する反省が起こる。伝統的社会に息づいていた円環状に回帰する時間の意味に光が当てられ、それが、人間の生死に関してのある種の安らぎとして機能していたことなどが回顧されて、直線状の「進歩」の在り方が改めて問い直されもした。」
/子ども100年のエポック・本田和子
あおちゃんの描いたピンクのやつ。
3月16日です。
3月17日 晴れ
『今朝は長男に悪いことをしてしまった。
下の子2人分のお弁当を慌ただしくつくっているときに
「かーちゃん!連絡帳がもう無い!買っといて!」と言われて
「そんなの自分で買ってくればいーじゃん!〇〇くんは自分で買いに行ってるってよ」と言い返してしまったのだ。
長男は小2。買いに行かせる準備をしてあげなければ、当然ひとりでなんて買いに行けないわけで、その上、他人と比べる という1番ひどい手法を使ってしまった…。
こういう時長男は、何も言わずに受け止める。
私も慌ただしさに任せて反省することを忘れたまま息子は特に気にする様子を見せずに登校した。
もんもんとしながら裁断作業をしているうちにもうお昼。
納豆ごはんを食べながら、これが真ん中の息子(年長)だったら
「買いに行けるわけないでしょ!」ってキレられてるな、、と思う。
そして、1番下の長女の平和でしかない絵を眺めながら昼食を終える。
小学校から帰ってきたら、抱きしめて、朝はごめんねって言おう。
そして頑張って描いたマンガをたくさん褒めてあげよう。
そんな事を考えながら仕事の続き。
もう14時だ。
幼稚園のお迎えへと向かう。』
妻の、3月17日。
3月18日 晴れ
「ひとついい方法は、あなたが直面しているのと同じ問題を扱っていると思われる書物を見つけることです。」/神話の力・ジョーゼフキャンベル
ギャグ漫画日和と伝染るんですから、学んだ間を、アウトプットするスタディ。3月18日。
3月19日 曇りのち雨
続・おすずの日常。
3月19日
おわる世界とはじまる世界のあいだに、いやそもそも、直線的ではない時間や空間の連続体において「あいだ」は存在しなくて、おわりもはじまりも無いのかも。
大江よう
仙台市出身。テキスタイルファウンデーション「TEXT」を主宰。ファブリックブランド「Lawn」を妻と運営するなど、いろいろやっている。
- Web : https://text-textile.com
大江えみ
神奈川県出身。ファブリックブランド「Lawn」をやっている。テキスタイルとのふれあいや、そこから物語を想像することといった親と子の豊かな関係性への想いのもと、製作している。
ゆうぞう
小学2年生。ギャグ漫画思考。
おすず
年長さん。エヴァの劇場版ラミエル(仮称)が好き。
あおちゃん
年少さん。キープレイヤー。場を支配している。
こどものドローイングを用いたプロジェクト「PLOT」。
サイト内のこどもフォントは、コピペをしてどこかに貼り付けると解読できる。