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クリエイターインタビュー|桜田 涼平さん(後編)

広告制作や広告企画・企業経営サポートを手がける株式会社グラフィック・トイに入社して3年目を迎える桜田涼平(さくらだ りょうへい)さん。2018年の仙台広告賞新聞部門で賞を受賞された期待の若手デザイナーでもある桜田さんに、受賞したイラストのエピソードや現在手がけられているお仕事についてお伺いしました。

 

―ところで、桜田さんがイラストを手掛けた「Datefm開局35周年ラジオはずっとそばに」が、2018年の仙台広告賞新聞部門で銀賞を獲得されましたね。おめでとうございます。

ありがとうございます。
これはもともと弊社の代表に、「2017年の121日に35周年を迎えるから何かしたい」というお話が来て、3案くらい出すタイミングで、「1案、おまえの絵を使って勝負してみないか」って言われて。1案だけ僕のやつも入れてもらってご提案したときに、これが通って、実際に形になったという感じですね。

―受賞されたときはどう思いましたか?

すごくうれしかったです。今まで、自分の満足のためにしか絵を描いてなくて、初めて誰かのために描くという経験だったので、いろいろ難しかったですね。

2018年仙台広告賞新聞部門銀賞受賞作

―イラストだけではなく、コピーも担当されたのですか?

コピーは、弊社代表と先方の担当さんが話し合ったものです。だから、そのコピーを受けて、表情だとか佇まいとかを考えました。ラジオは、もともとはラジカセで聴いてたのが、今はスマホアプリとかで聴かれていて、時代が変わっても、ラジオは常にそこにあるよ、みたいなコンセプトで。

―キャラ設定はどのようにしたのですか?

結構一発だった感じがあります。当時は名前も何も決まってなくて、女子高生が通学の最中とかにラジオを聴いてる風景で、どこにでもいるようなごく普通の女の子を描こうと思って描きました。名前とかは後からついたんです。今、毎週金曜日の1850分ぐらいからラジオ番組もやってるんですけど、それに一度出したらツイッターとかフェイスブックでも反応があって、先方の担当さんが、「このままで終わらせるのもったいない」っていう話になって。それで、通年で、2か月に一度発行しているタイムテーブルの表紙に登場することになりました。ラジオに登場する響ちゃんには声がついてるんですけど、そのオーディションにも行かせてもらったんですよ。

キャラクターは「七井 響(なない ひびき)」としてラジオやSNSにて広報活動を行っている。

―審査員としてですか?

はい。オーディションの審査員の中の1人に入れてもらって。こっちのほうが緊張しちゃいました(笑)。そういうオファーは初めてだったので。

―いずれアニメになったりしたら面白いですね。

アニメまではいかないですけど、今年1年だけじゃなくて、何かしらはやっていきたいなというのは、社内で話してます。でも、これ、アニメになったらいいですよね。仙台のいろんな場所に行くショートアニメ的な感じで。

―これを機にイラストを頑張りたいという思いはありますか。

イラストは、常日頃から何かしら頑張りたいなっていうのはあります。世の中で見たら、確かにイラストを描ける人はいっぱいいるんですよね。でも、描けることを武器にして、何かできたらなとは思います。

―仙台について思うところはありますか?

あんまり僕が偉そうなことを言うのもあれなんですけど、仙台の広告は、ちょっと前に東京でやったものがおりてくるみたいなイメージがあるっていうことを聞いていて。そういうのを聞いた上で広告を見てみると、確かにそうだなと感じるところはありますね。

―仙台に期待することは?

道路整備です。交通の便がもっとさらによくなると嬉しいです。南北線と東西線が通っていない、斜めのところもうまい具合に通してほしいなと。

―仙台でチャレンジしたいことはありますか?

やっぱり今やってる仕事をちゃんとできるようになるっていうことと、あとは今教えてもらっていることを、少しずつでも吸収していって、自分も納得できて、相手も納得できるというものをいっぱいつくっていけるように頑張りたいです。あとは、僕自身がオタクな部分があるので、もっとそういうイベントや文化をどんと出せるような企画を自分たちで立ててみたいと思いますね。

―クリエイティブ分野で働きたい人、これから目指す人へのメッセージをお願いします。

何かを目指す人ってどこか共通点があるのかなと僕は思うんです。僕はプラモデルをつくったり絵を描いたりとかが好きで、好きなものをうまく武器に生かせるように好きなことを頑張りつつ、勉強してきました。でも、もっともっといろんなものを見たりしたほうがよかったのかなと今は思います。自分自身、無駄を省いてきたつもりはないんですけど、「別にわからなくていいや」とか、「音楽さわらないから音楽わかんなくていいや」みたいなことじゃなくて、とりあえず、そういうのも好きな人がいるんだないうことを理解して、浅くでいいからさわっておいて、もしそれを仕事で使うとか、何かに生かすときに、深く掘り下げられればいいのかなって最近思って。だから、どんなものでも手当り次第触るともっとよかったのかなと思うので、もし今勉強している人がいたら、いろんなものを見たり聞いたりするのがいいかなと思います。僕が余り何も見てこなくて苦労したので(笑)。

取材日:平成30年11月20日
聞き手:仙台市地域産業支援課、岡沼 美樹恵
構成:岡沼 美樹恵

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桜田 涼平

1996年秋田県秋田市生まれ。
2017年専門学校 日本デザイナー芸術学院 仙台校 デザイン学科卒業。
同年インターンシップを経て株式会社グラフィック・トイに入社。
広告全般からイラストレーション、イベント企画運営、CM、プロモーション企画など
チーム一員として携わっている。
アニメと漫画を見ること、描くこと、ラーメンとお酒が大好きです。

17回デザイングランプリTOHOKU 東北地区印刷協議会会長賞受賞。
2017年度 仙台広告賞新聞部門銀賞 メインビジュアル担当。

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